多くの方が健康診断を受けていると思います。
健康診断で行われる血液検査では、身体の状態を知ることが出来ます。
いずれかの検査項目で異常値が出た場合は、さらに詳しい検査をすることで病気を確定し治療を行うことになります。
血を採りだすだけの簡単な検査ですが、実に重要な身体の情報を知ることが出来るのです。
今回は、尿酸値について見てみましょう。
尿酸値が高いという健康診断とその症状
健康診断の検査項目に尿酸(UA)というものがあります。
尿酸は、私たちの体の中に常に存在しています。
そして、つくられる量と体外へ排泄される量のバランスがとられて、体内では一定量に保たれています。
血液中に含まれる尿酸の量(血清尿酸値)の正常値は、3.6mg/dL~7.0mg/dLです。
7.0mg/dLを超えると、高尿酸血症と診断されます。
では、何らかの原因で、尿酸が増えてしまった場合に起こる、身体の症状には、どんなものがあるのでしょうか?
一時的なら問題ないですが、尿酸値が高い状態が続くと、様々な病気を合併させる要因となります。
一番よく耳にするのが痛風ですね。
その主な症状は、足の親指関節の激痛です。
耐えがたい痛みと腫れが、いきなり襲ってくるという恐怖。
尿酸の結晶が関節などに溜まることで起こり、中高年の男性に多い病気です。
腎臓で結晶が溜まると、腎障害や腎臓結石、尿路結石といった病気の原因になります。
その他にも、脳血管障害、心疾患といった病気の原因になる可能性があります。
恐ろしいですね。
尿酸値が高いのは、何が原因と考えられるのでしょうか?
先ほど紹介した痛風ですが、「プリン体の摂り過ぎが良くない」って聞きませんか?
尿酸は、プリン体と関係があります。
人間の身体は、非常にたくさんの細胞でできています。
その細胞一つ一つには、核酸(DNA、RNA)という物質があります。
この核酸の主成分が、プリン体です。
ですから、私たちの身体の中には、たくさんのプリン体が存在しているのです。
なのですね。
そして、細胞には寿命があります。
寿命が尽きると細胞は壊れ、新しい細胞と入れ替わります。
この時、古い細胞の中の核が放出・分解され、プリン体ができます。
さらに、プリン体は、肝臓で分解されます。
そして、尿酸と呼ばれる老廃物になるのです。
最終的に、血液中の尿酸は、一定量を超えると、尿や便と一緒に排出されます。
尿酸値が高い!
と言うと、食べ物に含まれているプリン体を気にする人が多いですね。
特に、ビールはダメ!といった風潮が世の中にはあります。
しかし、実は、食べ物から取り込まれるプリン体は、それほど多くありません。
それは、全体の20%ほど。
残りの80%は、体内にあるプリン体を原料にしてつくられているのです。
① 尿酸の体内生産量が多く、排泄は普通
② 尿酸の体内生産量は普通、排泄が少ない
③ 尿酸の体内生産量が多く、排泄も少ない
・先天的な代謝異常
・造血器疾患
・アルコールの過剰摂取
・暴飲暴食
・肥満
・無酸素運動
・遺伝的体質
・腎不全
・アルコール過剰摂取
・暴飲暴食
・肥満
・無酸素運動
・脱水
尿酸値が高い場合の治療方法はありますか?
前述の、尿酸値が高い原因から治療法が考えられます。
いろいろな検査により、身体の中に原因がある場合は、それを治療することになります。
投薬が中心になりますが、
尿酸の排泄量が低下している場合、尿酸排泄促進薬を
尿酸の生産が増加した場合、尿酸生成抑制薬を使用することになります。
そして、もう一つ、患者自身でできることがあります。
生活習慣の改善ですね。
これは、肥満対策や健康維持にもつながります。
② アルコールを控える
アルコールは、肝臓での尿酸の生産を促進させるとともに、腎臓での排出を低下させる働きがあります。
③ プリン体の多い食べ物を控える
これらの生活習慣の改善は、高尿酸血症だけでなく、健康な生活を送るために必要なことですね。
まとめ
痛風=高尿酸血症=ビール飲みすぎ=飽食
このような図式が見られますが、尿酸値が高い原因の多くは、身体の中にあるということがわかりました。
身体の中の問題は、お医者さんに任すしかありません。
腎臓に問題がある場合は、症状が出ない場合が多いので、専門医に診てもらうことも考えましょう。
ただ、私たち自身でも、改善する策があることもわかりました。
食生活もそうですが、生活全体の見直しが大事ですね。