日本人なら欠かさないお墓参り。
いろいろな事情でお墓参りに行くことが出来ない人でも、心の中ではお墓参りをしていると思います。
月命日やお正月に参られる方もおられますが、お墓参りと言えば「お彼岸」と「お盆」ですね。
では、「お彼岸」とはどのような日なのでしょうか?
今回は、普段、何気なく過ごしている「お彼岸」について調べてみましょう。
お彼岸とは、どういう日なのでしょうか?
彼岸(ひがん)とは、雑節(ざっせつ)の一つです。
雑節というのは、季節の移り変りを把握するために設けられた、特別な暦日のことです。
人が生きて行くために一番大事であった農作業と照らし合わせた季節の目安でした。
日本の気候風土に合わせて、長い間に培われてきた知恵と経験が導き出したものなのです。
これは、古来、人は自然に寄り添って生きて来たことを示すいい例ですね。
春のお彼岸は、種まき、秋のお彼岸は、収穫の時期と結びついていました。
ですから、恵みを与えてくれる自然への感謝と祈り、そして、ご先祖様への感謝の気持ちを表す日でもあります。
春分と秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈みます。
そして、昼と夜の長さがほとんど同じになる日でもあります。
仏教では、「悟りの世界」を「彼岸」と言い、私たちが住む世界を「此岸(しがん)」と言います。
私たちが言う「死後の世界」は、「彼岸」になりますね。
言うまでもなく「此岸」は、煩悩に満ちた世界ですね(汗)
ちなみに、雑節には、以下のものがあります。
立春、立夏、立秋、立冬、それぞれのの前日のこと。
年に4回。
「社日」(しゃにち)
春分の日と秋分の日に最も近い戊(つちのえ)の日のこと。
「八十八夜」 (はちじゅうはちや)
立春から数えて88日目の日。
「入梅」 (にゅうばい)
立春から135日目。
「半夏生」 (はんげしょう)
夏至(6月21日頃)から数えて11日目の7月2日頃から七夕(7月7日)頃までの5日間。
「土用」 (どよう)
立春、立夏、立秋、立冬前の18日間。
「二百十日」 (にひゃくとうか)
立春(2月4日頃)から数えて210日目の日。
「二百二十日」 (にひゃくはつか)
立春(2月4日頃)から数えて220日目の日。
お彼岸とは、いつのことを言うのでしょうか?
お彼岸には、「春の彼岸」と「秋の彼岸」があります。
それぞれ、「春分の日」と「秋分の日」を中日として、その前後3日間を合わせた、7日間を指します。
例えば、3月21日が春分の日であれば、3月18日から3月24日までの7日間がお彼岸になります。
そして、彼岸の始まりである3月21日を「彼岸の入り」、終わりの3月24日を「彼岸明け」と言います。
お彼岸のお墓参りとお供え物について
お彼岸は、「彼岸」と「此岸」が最も通じやすくなる日とされているので、ご先祖様供養をする習慣が出来ました。
ですから、日本人は、お彼岸にお墓参りに行く慣習があります。
「彼岸」の中日である「春分」にご先祖様供養を行い、他の6日間は「悟り」の境地に至るための修業をすることが、本来の過ごし方だそうです。
現在でも、春分の日と秋分の日は国民の休日となっていますので、お墓参りをする家が多いですね。
我が家では、大変混雑する「中日」でのお墓参りは避け、7日間の内で比較的空いていそうな日を選んで、お墓参りに行くようにしています。
個人的には、その混雑具合には閉口するのですが、やはりたくさんの方々が墓参する「中日」の空気感は好きです。
たくさんのお墓に、花や供物、ロウソクや線香の香が立ち込めています。
そして、手を合わせる人達。
ご先祖様をご供養する人々の姿に、安心を覚えるのは私だけでしょうか?
日本人っていいなぁ、と思う瞬間です。
彼岸のお供え物と言えば、「ぼたもち」と「おはぎ」ですね。
どちらも同じものなのですが、その時期に咲く花の名にあわせて、呼び変えられているそうです。
春の彼岸には、春に咲く花、「牡丹」になぞらえて「ぼたもち」。
秋の彼岸には、秋に咲く花、「萩」になぞらえて「おはぎ」。
お供え物に決まりは無いですが、個人の好物を供えることが多いですね。
まとめ
昔は、自然を中心にして人々の生活はありました。
農作物を育てることで生計を立てていた時代、自然の移り変わりを適確に掴むために設けられた、特別な暦日が作られました。
これが、二十四節気や五節句、雑節です。
そして、合わせるように、ご先祖様供養が行われてきました。
日本人ならではの風習を大事にしていきたいですね。