気温が高くなるにつれて汗をかくことが多くなります。
でも、汗を嫌う人が多いですね。
特に女性。
衣服にできる汗染みが気になるぅ~!
ニオイが気になるぅ~!
いつも美しくありたいと思う気持ちが汗を避けることにつながっています。
そもそも、汗は何故?出るのでしょうか?
一番大きな働きは、体温調節のためです。
身体が熱くなってくると汗が出始めます。
そして、その汗は身体の表面で蒸発します。
このときに、皮膚から熱を奪っていきます。← 学校で習ったでしょ?気化熱ですね。
そうやって、体温を一定に保っているのです。
人の体温は、周りの環境に関わらず、いつも36度前後に保たれています。
逆に、体温が大きく変動すると、体の機能が正常に働かなくなってしまうんですね。
とくに、体温が40度以上に上がってしまうと、熱に弱い脳は、ほとんど機能できなくなくなってしまいます(怖)
この身体の仕組みを考えると、汗は絶対にかかなければなりません!
普通に生活をしていると汗をかかないということはないのです。
とはいえ、どうしても汗をかきたくないシーンもありますね。
汗のニオイが気になる!汗がクサイのは何故?
汗をかくことは仕方が無いこと、と納得できても、クサイことは我慢できませんね。
汗のニオイを消すために、体中に香水を振り撒いたり、洗濯時に良い香りのする柔軟仕上げ剤を使ったり、そもそも汗を抑える制汗スプレーをつけたり。
みなさん、涙ぐましい努力をしています(笑)
汗をもう少し詳しく調べてみましょう。
ご存知のように、汗は皮膚にある「汗腺」から分泌されます。
ただ、その汗腺には、2種類あることをご存知ですか?
「エクリン腺」と「アポクリン腺」です。
「エクリン腺」は、全身にある汗腺で、その働きは大きく分けて3種類あります。
気温が高い時、運動をした時、食事の時など、上がった体温を下げるためにかく汗のことを「温熱性発汗」といいます。
会議やテストで緊張した時、スポーツや映画でドキドキした時など、緊張や興奮でかく汗のことを「精神性発汗」といいます。
いわゆる「冷や汗」とかもそうですね。
手のひらや足の裏、ワキの下、額などの局部的にかく汗です。
カレーなどの辛い物を食べた時にでる汗のことを「味覚性発汗」といいます。
とくに額からの汗が目立ちますね。
「エクリン腺」から出る汗の成分の99%以上が水分です。
一方、「アポクリン腺」は、全身にあるわけではなく、思春期になると、腋の下や耳の後ろ、外陰部などの特定の部位に発達します。
動物が本来もっている、なわ張りに匂いつけたり、体臭に興奮したりといったフェロモンなどのニオイを分泌するためのもので、毛穴から出てきます。
「アポクリン腺」から出る汗の成分の70~80%が水分です。
残りは、タンパク質や脂肪や尿素、アンモニアなどのさまざまな成分で、エクリン腺から出る汗よりも粘り気があります。
汗に種類があることがわかりました。
本題のニオイについてですが、もともと汗腺の中にある時点では無臭なのです。
汗が皮膚の表面に出て、垢や皮脂、ホコリ、フケなどが混じり合うと、それをエサに細菌が増殖します。
皮膚の表面には「皮膚常在菌」いう、良い菌と悪い菌が共存していますから。
この「皮膚常在菌」の作用によりニオイの物質が作られてしまうのです。
さらに、菌の種類も人によって違うため、ワキガのように強いニオイを発する人もいるのです。
そもそも日本人は体臭が薄い民族です。
これには食生活が大きく関係しています。
肉類など、高カロリーで高脂肪の食べ物には、アポクリン腺を活発にする作用があります。
反対に穀物や野菜、魚にはビタミンをはじめポリフェノール、β-カロテンなどニオイの体質改善に有効とされる栄養素が含まれています。
ただ、現代の日本人の食生活が欧米化していることで、体臭の濃い人が増えていることも事実です。
汗のニオイが気になる!夏に気になるワキ汗を抑える方法
汗が出て、皮膚の垢や皮脂、ホコリ、フケなと混ざり、それを皮膚に常在している菌がエサとし、ニオイの物質を作るというのであるならば、皮膚の表面を清潔に保ち、汗を出さないようにすればニオイも出ないということですね。
身体は出来るだけこまめに拭くようにしましょう。
特に、ニオイの強い汗の出る「アポクリン腺」が多い場所、腋の下や耳の後ろ、外陰部などをこまめに!
そして、汗が出ることを抑えるために市販の制汗剤(デオドラント)を併用しましょう。
これも当然、ニオイの強い汗の出る「アポクリン腺」が多い場所を集中的にケアすることですね。
制汗剤(デオドラント)も、その配合成分によって効用が違います。
主に、「クロルヒドロキアルミニウム」「銀」「ミョウバン」の三種類あります。
「クロルヒドロキアルミニウム」は、日本では最も一般的な配合成分で、アルミニウムで汗の出口を塞ぐというイメージです。
「銀」は、銀イオンの持つ殺菌成分で細菌の働きを抑えて臭いのもとを絶ちます。
「ミョウバン」には、菌の繁殖を抑える効果と汗がでるのを抑える効果があります。
好みで選ぶことになりますが、ここで忘れてはいけないことは、汗は出るものですし、出すべきものだということです。
必要に応じて発汗を抑えることはあっても、それ以外では、できるだけ発汗を促す方が体には良いですからね。
汗のニオイが気になる!大量にでる顔汗は何故?
身体の中で顔の汗が尋常ではない人がいます。
これは慢性的に運動不足の人に多い症状です。
運動しないということは体内で熱の発生が少ないので体温の上昇が減ります。
すると使わない汗腺の機能が衰えてしまいます。
特に腕・手足の汗線衰え、汗が減ります。
すると、体温が上がり、いざ熱を下げようとした時に、身体の汗腺が機能せず、顔の汗腺だけが働く結果、大量の顔汗となるのです(汗)
さらに、運動不足の人は新陳代謝が悪くなっているので、たまにでる汗がアルカリ性が強くなり、これは細菌が好む汗なので、ニオイも強いことになります。
すなわち、運動不足の人は、顔汗が多く体臭が強い傾向にあるということです。
毎日使っている水道の水は透明でサラサラなのに、しばらく使っていなかった水道管をひねると茶色く濁った水が出てくることがあるのと同じ原理ですね(怖)
まとめ
汗はかくものです、かかなければなりません。
ですから、汗のニオイが臭くならないようにすればよいのです。
食事は、肉類ばかりを食べず、豆腐や納豆などの大豆食品を多くとることが大切。
運動することで汗腺が正常に働き、サラサラの臭わない汗になります。
熱め(41℃前後)のお風呂につかり汗をかくことでも汗腺の訓練になります。
そして、エアコンにあたることで、せっかく開いた汗腺が閉じてしまうので、できるだけ控えましょう。
その上で、必要に応じて市販の制汗剤を使うようにしましょうね。
汗と上手に付き合うことがニオイを抑えることにつながりますから!