つらい膝の痛み、膝痛。
「膝痛」は、「ひざいた」ではなく、正しくは音読みで「しっつう」と読みますね。
歳をとってくると、どうしても膝に痛みが出やすいですね。
若い頃に激しい運動をしていた人や身体を酷使してきた人は、特に、膝の痛みに悩んでいる人が多いです。
二本足で立って歩く人間にとって、膝は大事な関節です。
痛めて初めて分かりますが、日常生活を送るために必要な動作の中で、どれだけの活躍をしていてくれたのか。
頭だ下がります。
ごめんね、私の膝さん。
この大事な膝を悩ます痛みについて、よく言われる「軟骨のすり減り」が原因ではない場合があるのです。
目からうろこ!膝痛の原因をみてみましょう。
膝の痛みは軟骨のすり減りだけではない!?
「膝が痛い」といった場合、ほとんどの人は「軟骨がすり減っている」と考えます。
そういう情報を日常的に耳にするからですね。
これは、決して間違った情報ではありません。
大腿骨の先っぽと脛骨の先っぽには、関節軟骨があります。
関節軟骨は、衝撃に強く、表面が滑らです。
その滑らかさは、現在の工学技術でもつくることはできないそうです。
さらに、大腿骨の関節軟骨と脛骨の関節軟骨の間には、半月板があります。
半月板は、コラーゲン繊維が豊富な線維軟骨で作られています。
これにも、衝撃を吸収するという重要な役割があります。
これらのおかげで、わたしたちは、関節を自由に滑らかに動かすことが出来るのですね。
若い方に多く見られる膝の痛みは、スポーツや運動による外傷です。
十字靱帯損傷とか半月板損傷というニュースをよく目にしますよね。
中高年の方に多く見られる膝の痛みは、変形性膝関節症です。
年齢とともに関節軟骨が徐々に摩耗し、半月板も損傷、そして炎症が起こります。
今回、注目するのは、レントゲンやMRIで、明らかに、関節軟骨が摩耗していて、痛みが出ていてもおかしくないにもかかわらず、痛みを感じない人が多くいるという事実です。
この事は、「痛みの原因が関節軟骨の摩耗だけではない」ということを示しています。
そして、注目されるのが「関節包」なのです。
膝の痛みを正座で見極める!関節包ってナニ?
「関節包(かんせつほう)」
あまり聞いたことがないですね。
膝の仕組みをもう少し詳しく見てみましょう。
実は、関節を袋のように包む「関節包」があります。
その内側に、同じく関節を包むように滑膜という組織があります。
この滑膜からは、関節液が分泌されています。
関節液は、関節の動きを滑らかにするとともに、、関節軟骨に栄養を供給する働きがあります。
この関節包や周囲の軟部組織には、痛みを感じる神経がたくさんあることがわかってきたのです。
そして、これらも年齢とともに硬くなってくるのです。
そうすると、ちょっとした刺激で痛みを感じやすくなったり、曲げ伸ばしがしづらくなるのです。
このように、膝の痛みは、一般的に言われる、関節軟骨のすり減りが原因ではなく、関節包が硬くなることで起こることも多いのです。
では、関節包が硬くなっているかどうかは、どうやって見極めればよいのでしょう?
正座です。
痛みで正座が出来ない人は、関節包が硬くなっていると考えられます。
この膝の痛みの改善にはストレッチが有効です!
関節包が硬くなっていることで、膝に痛みが出ているのであるならば、柔らかくしましょう。
そう、柔らかくできるのです。
関節包を柔らかくするストレッチがあります。
ここでは、簡単なストレッチの方法を2つご紹介します。
その①
・両足を伸ばして床に座ります。
・膝の後ろを床に押し付けるように力を入れます。
・力を入れたまま10秒数え、そして、力を緩めます。
・これを10回繰り返します。
膝を床に押し付けるように力を入れた時に、膝のお皿とその周辺が、太ももの方へ引き上げられ、それと同時に、太ももの前側の筋肉にも力が入っているはずです。
できれば、この運動を一日に3~4回行って下さい。
まずは、1か月間はんばりましょう。
このストレッチにより、太ももの前側の筋肉に繰り返し力を入れ、膝蓋骨(お皿)と、その周囲の関節包を動かすことで、硬くなっている部分をほぐす効果が期待できるのです。
その②
このストレッチはお風呂でおこないます。
・お風呂の中で、湯船の縁につかまりながら膝立ちになります。
・湯船の縁につかまりながら、ゆっくりと正座の体制になります。
・ひざに突っ張りを感じるあたりで、姿勢を5秒~10秒維持します。
・3~4回繰り返します。
毎日続けましょう。
まとめ
つらい膝の痛みを何とかしたいですね。
ただ、無理は禁物です。
今回のご紹介したのは、誰にでもできる簡単なストレッチですが、次のような人は止めて下さいね。
・打撲、骨折などの外傷がある
・痛風、リウマチなどの診断を受けている
・明らかに関節に腫れがあったり熱をもっていたりする
・安静にしていても痛い
これらの人は、関節包が原因ではない可能性があります。
病院で治療中の人は、お医者さんの処方に従って下さいね。
また、主治医に関節包について聞いてみるのも良いですね。
お大事に。